【MSW】【資格取得】医療ソーシャルワーカーになるにはどうしたらいいのか?

LIFE WORK

MSWになりたい人「医療ソーシャルワーカー(MSW)ってどうやってなるんだろう?」

今回はこんな疑問に答えます。

こんにちは、Fujiyaです。
僕は病院でソーシャルワーカーを10年以上やっています。

最近は経験を活かして、大学や専門学校で「社会福祉」や「地域連携」などの授業をさせていただくことも多く、まだまだ世間的に認知も低い「ソーシャルワーク」について広めていきたいとブログで記事を書いています。
⇒参考記事:『ソーシャルワーカーとは?【社会福祉士】

医療ソーシャルワーカー(Medical Social Worker, MSW)とは?

病院やクリニックなどの医療機関で、患者やその家族に対して、心理的なケアや社会福祉サービスの提供を行う専門職です。医療ソーシャルワーカーは、患者や家族の心理的な支援を行うとともに、療養生活の調整や退院後の社会復帰の支援を行います。また、医療チームの一員として、医療機関内での相談業務や医療現場の情報提供、社会保障制度の案内なども担当します。

医療ソーシャルワーカーには、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」といった資格を持っている人が多いのですが、医療機関によっては資格を持っていない人でもMSWとしてのポジションを設けている場合もあります。また、近年では医療機関だけでなく、在宅医療や地域包括ケアなどの分野でも活躍する医療ソーシャルワーカーが増えています。また、コミュニケーション能力やカウンセリングスキル、社会福祉制度の知識、医療現場での実務経験などが求められます。医療現場での勤務にあたっては、医療法や倫理綱領に則った職務遂行も求められます。

【MSW】医療ソーシャルワーカーになるために必要なこと

医療ソーシャルワーカーになるためには、いくつか条件があります。以下です。

  1. 必要な資格の取得
  2. 医療関連の経験
  3. ネットワークの構築する
  4. 専門的な知識の習得

現状絶対というわけではないのですが、医療ソーシャルワーカーになるためには国家試験に合格する必要があります。その後、MSWとしての経験や専門的な知識を身につける必要があると思います。また、キャリアを始める前に医療関連の経験があると重宝します。現在は、資格取得のために病院での実習も必要になりますが、それ以外で医療施設でのボランティアであったり、インターンシップなどの経験を積むことで、医療現場での業務についての理解を深めることができます。

これは医療ソーシャルワーカーに限ったことではないと思いますが、業界内の人々とネットワークを構築することも重要です。医療関係者や現役ソーシャルワーカーと繋がることで、自分自身のスキルアップにもなりますし、求人情報の収集がしやすくなります。本質を考えれば「コミュニケーションスキルを磨く」ということは医療ソーシャルワーカーにとって大切なことだと考えています。患者や家族との信頼関係を築くことが基本になってくるからです。情報の伝達や問題解決に必要なスキルを身につけることは対人援助職の要です。

実際の医療現場では、患者さんや家族の医療ニーズに合わせたサポートやアドバイスが求められます。医療行為はありませんが、医療に関する知識の習得は必要です。医療関連の講習会やセミナーに参加することで、専門的な知識を高めることはMSWになってからも継続して行っていくことが重要です。

【MSW】医療ソーシャルワーカーになるための資格取得

社会福祉士国家について

実のところを言うと、医療ソーシャルワーカーになるために絶対に資格が必要であるということはありません。僕も日々の業務の中で多くの医療機関と連携をしますが、看護師や事務職員がMSWの役割を担っている機関はたくさんあります。

ですが、これからMSWを目指す場合には最低限の社会福祉関連の資格を有していることが重要かなと思います。ただ多くの医療機関で求人されているのは「社会福祉士」ですね。病院が「地域連携」を重要視していることや診療報酬に「社会福祉士」が位置付けられ始めていることが原因です。

混同されやすい「社会福祉主事任用資格」

社会福祉主事は「社会福祉士」と比べると取得は簡単です。しかしながら、市役所や福祉事務所などで必要になってくる「任用資格」なので、取得しただけでは「職業」として認められません。資格を取得した後に「社会福祉主事」に任命されることで効力を発揮する資格となります。社会福祉主事も高齢者や障がい者などへの相談支援をすること同じですが、専門性が国家資格である「社会福祉士」と比べると低いです。

今後絶対になってくる「社会福祉士国家資格」

社会福祉士の取得には、大学などの教育機関で指定科目を修めた後に国家試験に合格する必要があります。国家試験は年1回、毎年2月にあるのですが、合格率は良くて30パーセントくらいです。社会福祉士の資格には有効期限や更新方法は無いので一度取得したらずっと有効です。しかしながら、社会福祉の分野での専門知識や技術は常に更新されていくため継続的な学習やスキルアップが必要になってきます。業務的にも、とても幅広く地域福祉、児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉、社会福祉法人などで福祉事業の企画・立案、相談・カウンセリング業務、施設運営などの業務に携わっている人もいます。

資格取得前に医療関連の経験は積んでいて損はない

医療介護などの経験があれば有利

医療ソーシャルワーカーは、病院やクリニックなどの医療機関で業務を行うことがメインですので、医療関連の経験を積むことは重要なステップの1つとなります。上記しましたが、最近は社会福祉士の受験資格を得るためにも病院での実習が必要になっているので、僕が取得した時よりも病院への就職がスムーズなのかなと思っています。逆を言えば、過去よりも質の高い専門職が求められているということになります。

医療機関でのボランティア活動やアルバイト

ボランティア活動やアルバイト活動は、医療関連の経験を積むための手軽な方法の1つだと思います。ボランティアとして、患者の面会や付き添い、病室の清掃など様々あるとは思いますが、医療現場の雰囲気や患者のニーズを学ぶことができます。

ちなみに少しズレますが、僕は学生時代に精神科病院に付属する「生活訓練施設」の夜間アルバイトをしていました。主な業務は、利用者とコミュニケーションをとったり、生活に必要な対応をするだけでしたが、精神疾患を患っている方々を触れ合える良い機会であり、百聞は一見に如かずといいますが良い経験になりました。

病院での実習や勤務経験

医療ソーシャルワーカーを目指す学生は、大学や専門学校で実習を受けることになります。実習先での業務内容は、医療ソーシャルワーカーに必要なスキルや知識を学ぶことができるため、将来の仕事に役立つ経験となります。実際には病院の機能や文化によってMSWの業務も様々なのですが、本質を学ぶには実習はとても重要だと思います。

また、社会人になってから資格取得を目指す人もいるとは思いますが、病院での勤務経験があれば、医療ソーシャルワーカー業務に役立つことがたくさんあると思います。例えば、介護の経験や医療知識、患者家族とのコミュニケーションなどですね。

医療ソーシャルワーカーを目指すなら事前の「ネットワーク構築」も大切

MSWにネットワーク構築は重要

ネットワーク構築は、医療ソーシャルワーカーにとって重要なスキルの1つとなります。これはMSWとして欠かせない能力だと僕は思っています。なので、MSWを目指している段階からスキルを磨き、ネットワーク構築をしていくことが大切だと思います。メリットしかないです。

学生時代からのネットワーク構築

これは僕の自論ですが学生時代からのネットワーク構築が大切だと思っています。僕自身の経験から考えていることでもあるのですが、同級生や先輩、教員との交流を通じて、医療現場での実務経験や就職先の情報を得ることができます。上記した僕自身の精神科病院でのアルバイトも大学時代の准教授から紹介していただいたことになります。他にも職能団体の研修や集まりに参加したことで就職も有利に働きましたし、ソーシャルワーク現場の理解にもとても役立ちました。「つながり」は、MSWになった後も使うことができますので是非今からネットワーク構築を意識して行動するのが良いと思います。

SNSを活用したネットワーク構築

新型コロナウィルスの拡大により社会に大きな影響を与えましたが。オンライン活用が進んだことにより、ネットワークの視野が広がったと思っています。僕自身TwitterなどSNSを通じて様々な分野で活躍するソーシャルワーカーと繋がったり、研修情報や制度の情報を集める良い機会になったからです。

単一の分野に固執することのないジェネラリストとしてのスキルもソーシャルワーカーとして重要になってきています、これを活用しない手はないです。もしよろしければ僕のTwitterアカウント(@fujiya_xyz)とも繋がっていただけたら幸いです。

今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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